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私立学校が府民の子弟の教育の一翼を担って、それぞれ建学の精神に基づき、独自の伝統と、校風のもとに特色のある教育を行ない、多数の人材を世に送り、教育文化の興隆に多大の貢献をしていることは世人のひとしく認めるところである。 こうして、今日この教育を推進しているものは、高等学校以下においては学校長、園長を中心とした9,000余名の教職員である。この教職員が安心して教育に専念できるようにするためには、在職中の生活保障はもとより、退職後の生活安定の途を講ずることが、前提条件とならなければならない。このことがまた優秀な教職員を確保し教育効果をあげる上にきわめて大切である。 今日、私立学校教職員の給与については、未だ充分とはいえないが、漸次公立学校並にする努力が重ねられ、退職後の年金については、私立学校教職員共済組合法による長期給付の制度が設けられた。 しかし、退職一時金については、大阪府私立学校恩給財団の制度があるとは云え、その支給額は著しく低額であり、学校が支給する退職金の一部に充当されるに過ぎず、しばしばその増額も考えられたが、人件費の増嵩に追われて、これを手当する余裕がなく、公立学校に比し低額に甘んじているのが実情である。 以上の実情に鑑みて、今回恩給財団の思想を受け継ぎ、これを発展拡大して公立学校に準じた退職金を支給し得る制度を確立して、教職員が安んじてその生涯を私学教育に捧げられるようにとの意図のもとに、府内の私立高等学校、中学校、小学校、幼稚園が一致協力して、新たに財団法人大阪府私立学校退職金財団を発足させる運びになった。 この財団が発足できるのは、大阪府の多大な指導と援助によるもので、ここに満腔の謝意を表するものである。 ここに、この財団を創立することによって、私学が画期的な発展を遂げ、ひいては、府民教育の発展向上に直結するものであることを確信する次第である。 昭和43年3月13日 |
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